オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永智樹です。
部下から信頼される上司とはどんな人でしょうか?
部下から信頼されることで、仕事の質や回り方にも影響がありますし、何より組織が活性化していきます。
組織が活性化されれば利益も上がり、最終的には社員の給与をアップするはずです。
部下と上司がどんな関係性の中で仕事を共にしていくかが、とても大切です。
そこで今回は部下から信頼される上司の話し方に着目していきます。
伝え方によって部下の反応が変わる
もしも部下がミスをしてしまったりすると指導したり、時には叱ることがあるでしょう。
その時の伝え方によって、部下との関係性が大きく変わる可能性があります。
たとえば部下が遅刻をしてしまった時、あなたが上司ならどうしますか?何か言うとしたら何を言いますか?
よくある叱り方として、下記のようなものがあります。
「仕事に遅刻するなんて何を考えているの?もっとやる気を持ってもらわないと困るよ」
このように叱るとどうなるか、ほとんどの部下は「申し訳ございません」と言うでしょう。
しかし、心の中では「遅刻したくらいで、なぜそんなに言われないといけないの?」と、納得しきれない人もいるかもしれません。
本来ならば「反省」しないといけない所が、反発したい気持ちで心がいっぱいになるかもしれません。
これは上司が自分の考え方を事実のように話してしまったことに原因があります。
この上司の中では、「遅刻=やる気がない」という考え方があります。
しかしこれは、事実ではなく、あくまでも上司の個人的な考えです。
それを事実として押し付けてしまうと、部下は反発していまいます。
ポイントは事実と考えをしっかり分けて伝える事です。
たとえば下記のような伝え方だとどう感じるでしょうか?
「今日は遅刻してしまったね。僕としては仕事に遅刻するということは、やる気がないように感じてしまうんだけど、~さんはどう感じる?」
このように事実と考えを分けて話してもあげることで、「遅刻=やる気がない」と決めつけられるのではなく、あくまでも上司の考えとして、部下は受け取ることができます。
そうすると、部下も自分の行動を客観的に振り返ることができ、反発する気持ちがなくなります。
コミュニケーションの取り方
部下との関係性をつくる上で重要なのがコミュニケーションです。
コミュニケーションにも様々な種類がありますが、基本的には2つのことを意識しましょう。
一つは業務上のコミュニケーション、もう一つは人間としてのコミュニケーションです。
業務上のコミュニケーションをいかにスムーズにできるかによって、仕事の効率が大きく変わります。
しかし、人間としての基本的なコミュニケーションがいかに普段からとれているかの方が、実はとても重要です。
部下のこと、知っていますか?
あなたに部下がいるとしたら、その人のことをどれくらい知っているか考えてみてください。
年齢、出身地、誕生日、家族構成、前の仕事、趣味、好きな食べ物など、直接的に仕事には関係ないことをどれだけ知っていますか?
知らないということは、部下とのコミュニケーションが業務の内容に偏り過ぎているということです。
そして、これらを知っているのと知らないのとでは、業務上のコミュニケーションに大きな影響があります。
仕事上どうしてもきつく言わないといけないこともありますが、上司部下のつながりだけでなく、人間的なつながりを感じれていると、多少きついことを言われたとしても、受け入れやすくなります。
時間よりも回数を優先する
週に1回1時間会話をするよりも、週に6回10分話す方が親近感を与えることができます。
普段から部下とあまりコミュニケーションをとらず、たまに「飲みニケーション」という題目で飲みに行くこともあるかもしれません。
しかし部下からすると、普段からコミュニケーションをとっていない上司との食事は必ずしも嬉しいものではありません。
コミュニケーションは一度にまとめず、できる限り頻繁にとるようにしましょう。
価値観を尊重する
人にはそれぞれ価値観があります。価値観とは自分が大切にしている考え方や判断基準のことです。
よくあることとして、上司が自分の価値観を部下に押し付けてしまうことがあります。 人はそれぞれ持っている価値観もその優先順位も違うので、自分以外の価値観を無理に押し付けられると必ず反発します。
出世についてもいろいろ
会社に入ったからにはどんどんステップアップしていきたい人もいるでしょう。
しかしそれが全ての人に当てはまるものではありません。
仕事に自分の全ての力を注ぐことを大切にしている人もいれば、仕事以外のことに情熱を注いでいて、あくまでも仕事はそれを可能にするためのものと捉えている人もいます。
また、現時点で自分の好きな仕事をしている人は、出世することにより現場から離れることになるので、そのまま好きな仕事をし続けることを大切にしている人もいますね。
このように仕事への向き合い方もそれぞれの価値観によって違うため、正解・不正解と分けることはできません。
まずは部下がどのような価値観を持っているのか、コミュニケーションを通して知ること。そしてそれを尊重して向き合うことが大切です。
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部下のモチベーションを上げる
部下のモチベーションが上がらないことに悩む上司は多いでしょう。
モチベーションが上がれば組織の活性化にもなり、業績アップにもつながります。
モチベーションを上げるには部下が主体性を持って仕事に臨む環境づくりが大変重要になります。
モチベーションと主体性はセットにして考えていきましょう。
たとえば目標。売上・販売件数など目標にも様々あります。
ほとんどの場合、部下が自分で決めたというよりも、会社や上司に決めさせられた目標の方が多いのではないでしょうか?
それではなかなかモチベーションが上がりませんね。
会社やチームの目標共有の仕方の悪い例として、「今月目標は〇〇だから、みんなで頑張りましょう!」のように一方的なものがあげられます。
これだと部下は「どうせ勝手に決められたもの」という意識があり、主体性を持つことは難しく、モチベーションもなかなか上がりません。
主体性を持ってもらうためには、この目標を設定した理由、達成したらどんなことが起こるかをまず共有します。
目標設定の根拠や達成後のイメージが明確になっていなければ、人は本気になりません。
しっかり共有した上で、部下が持っている価値観や能力をどう生かしてほしいか、しっかり伝えましょう。
「〇〇さんは~ということを大切にしているし、~が良くできるよね?
それをこの目標にうまく使えない?そうすれば〇〇さんの力で、この目標が達成できるはず」と伝えるとどうでしょうか?
そうすれば、自分が目標に対してどのように貢献できるかを自然に考えるようになり、「達成しなければならない目標」ではなく、「達成したい目標」に変わります。
結果的にモチベーションが自然に上がり、主体性を持って仕事に取り組むようになります。
このように主体性がなかったり、モチベーションが低い原因は、目標の設定の仕方と共有の仕方に問題があることがほとんどです。
ちなみにこれらに関しても、普段のコミュニケーションが取れていて、良好な人間関係を築けているということが前提になります。
まとめ
部下に信頼される上司になりたいという気持ちは誰もが持っているはずです。
もちろん部下に信頼されるためには、まずは自分自身が誠心誠意、仕事に向き合う姿勢が大切です。
これは私個人の考えではありますが、どんな仕事をするかよりも、どう仕事に向き合うかの方が大切だと思います。
どんな仕事も、仕事として成り立っている以上、世の中に貢献できているということなので、仕事の種類や内容に優劣はありません。
しかし、嫌々仕事をする人よりも、やりがいを持って仕事をしている人の方が幸せなのではないでしょうか?
自分が仕事にやりがいを感じるだけでなく、部下にもやりがいを感じて働いてもらいたいと願い、行動することが上司としての大切な役割だと思います。
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