- とにかく滑舌をよくしたい
- 苦手な発音が多い
- 効果的な滑舌練習を知りたい
オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永です。
今回は、滑舌練習を大公開します。
まず、質問です。
「滑舌に自信はありますか?」
このように聞かれて、自信を持って「はい!」と言える人にはこの記事はお役に立てないかもしれません。
しかし、滑舌が悪い人にはこれ以上の滑舌練習の題材はない!と思ってもらえるはずです。
最後まで、全部練習してみてください!
滑舌をよくする方法は?
滑舌をよくするためには、なぜ滑舌が悪いのか、自分でしっかり判断する必要があります。
まずは、下記の言葉を大きな声で素早く言ってみましょう!
==========
かけきくけこかこ
させしすせそさそ
たてちつてとたと
なねにぬねのなの
はへひふへほはほ
まめみむめもまも
やえいゆえよやよ
られりるれろらろ
わえいうえをわを
がげぎぐげごがご
ざぜじずぜぞざぞ
だでぢづでどだど
ばべびぶべぼばぼ
ぱぺぴぷぺぽぱぽ
==========
いかがでしょうか?
言いにくかったり、詰まったりした発音はありましたか?
これから各行の滑舌練習の言葉や文章を紹介します。
苦手なところからトレーニングしてみてください。
ポイントは「大きな声」で「ゆっくり」と発音することです!
早口言葉のように言ってしまうと、正しく発音できているかの判断ができません。
ゆっくり言えるようになったら、少しずつスピートを上げていきましょう。
カ行の滑舌練習
カ行は「苦手と思っている人」は少ないですが、実は「できていない人」が多いんです。
滑舌が悪いと感じる人は、まずこの「カ行」をやってみれば、どれぐらいのレベルなのか分かるようになると思います。
カ行は歯切れのいい話し方には欠かせない発音ですので、念入りに練習してみて下さい!
◎東京特許許可局局長×3
「許可局」が「きょきゃきょく」にならないように注意しましょう。
◎抜きにくい釘、引き抜きにくい釘、釘抜きで抜く釘
「く」が苦手な人が苦労する文章です。
◎高架橋橋脚
カ行だけではなく、キャ行も入りますので、難易度が上がります。
◎洗濯機×3
「せんたっき」にならないようにしましょう。
また、同じような言葉で、「水族館」が「すいぞっかん」になりやすいです。
◎旅客機に乗る旅客
「りょかっき」が「りょきゃっき」に、「りょかく」が「りょきゃく」になりやすいです。
◎菊栗菊栗、三菊栗、合わせて菊栗六菊栗
「きくくり」の「き」がポイントです。
サ行の滑舌練習
滑舌が悪い人の中で、一番多く悩みを持っている発音が「サ行」です。
発音そのものが間違っているケースを多くあります。
特に多いのが、舌先が見えた状態で発音してしまい、子音が「s」ではなく、「th」になってしまう人です。
俗に言う舌足らずな話し方ですね。
自信のない人は鏡の前で「さしすせそ」を言ってみて、「s」の時にしっかり上下の歯がくっついているか確認してみましょう。
◎ジャズ歌手・シャンソン歌手×3
「歌手」が「カス」になったり、「シャンソン」が「サンション」になりやすいです。
◎低所得者層×3
「者層」が「しゃしょう」になりやすいです。
◎マサチューセッツ州貿易摩擦中
「マサチューセッツ州」が「マサチューセッツちゅう」にならないようにしましょう。
タ行も同時に練習できる文章です。
◎書写山の社僧正
「シャ行」の練習にもなる、代表的な早口言葉です。
タ行の滑舌練習
タ行もサ行と同じく、苦手な人がおおいのではないでしょうか?
原因は舌の使い方です。
舌の筋力が弱いと動きが鈍くなってしまいます。
また、厳密に言うとタ行は3つの発音に分かれますので、一つ一つ確認が必要です。
※「たてと」→「t」、「ち」→「tʃ」、「つ」→「ts」
◎この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てたかったから、竹立てかけたのです
「竹垣」が「たきがき」になったり、「竹立て」が「たてたて」にならないように注意です。
◎お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、青竹茶筅で、お茶ちゃと立ちゃ
「チャ行」の練習にもなります。
◎第一著者、第二著者、第三著者
「ちょしゃ」が「ちょちゃ」にならないようにしましょう。
ナ行の滑舌練習
ナ行は鼻音といって、「n」の発音が入りますので、少し鼻にかかった音になります。
明るい声を出しやすい発音ですので、発声練習によく用いられます。
しかし、少し間違えると子供っぽい話し方になってしまうので、しっかり克服していきましょう。
◎京のなま鱈奈良なま学鰹
「奈良なま学」のところを特にきれいに発音しましょう。
◎バナナの謎はまだ謎なのだぞ
特に後半をゆっくり練習しましょう。
◎何だ、何だ、灘だな、灘だな、灘などなのだな
最後の「なだなど」が「なだだど」にならないようにしましょう。
ハ行の滑舌練習
ハ行は他の発音よりも息を多く使いますので、正しく発声しないと、息がかった声になり聞き取りづらくなります。
コツとしては、子音よりもそれぞれの母音をハッキリ発音することです。
正しい発声ができているかのチェックにもなりますので、是非練習したい発音ですね。
◎一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ
「へぎほし」が「へぎほじ」になりやすいです。
◎歯医者はハハハ、保育士はホホホと笑う
「ハハハ」の音がつながらないように、しっかり分けて発声しましょう。
◎夫婦は風船をフーフー膨らます
「ふ」の音の時に、しっかりと口の形を「ウ」にすると言いやすくなります。
マ行の滑舌練習
口を閉じてから発音するので、バ行やパ行に似ていますが、ナ行と同じ鼻音に分類されます。
唇を閉める力が弱いと上手く発音できませんので、そこを注意しましょう。
◎麦ごみ麦ごみ、三麦ごみ、合わせて麦ごみ、六麦ごみ
※「外郎売り」に出てくる言葉です
◎右目右耳右耳右目×3
「みみ」がくっつかないように、ハッキリと発声しましょう。
◎李も桃も桃のうち
「も」が連続するので、しっかり唇を使って発声しましょう。
ヤ行の滑舌練習
ヤ行の子音は「y」で、母音の「い」を短くした半母音です。
そのため、「やいゆえよ」の中では「え」だけ仲間外れになります。
「やいゆえよ」を連続で練習する時は、「え」が「いぇ」にならないようにしましょう。
◎お綾や親にお謝り、お綾や八百屋にお謝りとお言い
「お謝り」が「おやあまり」にならないようにしましょう。
ラ行の滑舌練習
ラ行は苦手な人が多い発音です。
ラ行が滑らかに言えれば、周りから滑舌が良い人と思われるはずです。
◎のら如来、のら如来、三のら如来に六のら如来
「にょらい」が「のらい」や「にょりゃい」にならないようにしましょう。
◎アルミホイル・炙りカルビ・破れかぶれ
「あぶり」が「あるび」にならないようにしましょう。
◎ラバーかロバかロバかラバーか×3
ワ行の滑舌練習
ワ行の子音は「w」になりますので、しっかり唇を「う」の形にしてから発音しましょう。
「う」の形が弱いと、「わ」ではなく「あ」に聞こえてしまいます。
「私」が「あたし」になってしまう人がいるのも、これが原因です。
しっかりと唇を使っていきましょう。
◎小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと
「わ」の時に唇をしっかり突き出すように意識しましょう。
◎ワンワン鳴くワンちゃんはわんぱく坊や
唇をしっかり動かしましょう。
◎ワラワラ笑えばワラワラ笑う人がワイワイやってくる
ガ行の滑舌練習
ガ行には濁音と鼻濁音の2つの種類があります。
言葉の1音目の時(学校、ご飯など)は濁音、途中にある時(メガネなど)は鼻濁音になることが多いです。
鼻をつまんでも音が変わらなければ濁音、音が変われば鼻濁音になります。
鼻濁音は近年言える人が少しずつ少なくなってきており、もともと西日本(特に九州など)出身の方はあまり強く使いません。
しかし、アナウンサーやナレーターなど声を仕事にする方々には必須のものになります。
◎雨合羽か番合羽か
「ぱ」はリラックスして出しましょう。
◎午後5時55分
「お」の口の形をキープすると言いやすいです。
◎ぐいっとぐぐぐとゴクゴクがぶ飲み
「ぐぐぐ」と連続すると詰まりやすいです。
ザ行の滑舌練習
ザ行はサ行ができることが前提なので、うまくできない人はサ行から練習しましょう。
◎ザダゼデゾド×3
「ザザゼゼゾゾ」など、ダ行がザ行になりやすいです。
◎象がゾロゾロいる姿を絶対見たいのでまず想像
ダ行の滑舌練習
タ行に比べて、舌の当たる位置が少し後ろになり、当たる面積も広くなります。
「た・だ」を繰り返し発音し、確認してみましょう。
◎ダラデレドロ×3
※ダ行とラ行の舌の使い方の違いを感じましょう
◎ダダダダダーっとダッシュダッシュ
※舌の力を抜いて滑らかに動かしましょう
◎トリニダード・トバゴ×3
※「トバゴ」が「トバコ」にならないようにしましょう
バ行の滑舌練習
バ行は唇をしっかり閉じてから、呼気圧(吐く息の力)を高めてから一気に息を出すことで良い音になります。
唇の力が弱ければ不発に終わってしまいますので注意しましょう。
◎武具馬具、ぶぐばく、三ぶぐばぐ、合わせて武具馬具、六ぶぐばぐ
唇をしっかりと弾いて音を出しましょう。
◎盆豆、盆米、盆ごぼう
「ぼん」が「ごん」になりやすいです。
◎ブタがブタをぶってブヒブヒ爆笑
「ブヒブヒ」のように、息を多く使うバ行とハ行の組み合わせはいい練習になるはずです。
パ行の滑舌練習
バ行と同じようにしっかり唇を閉じてから発音しましょう。
「ぱぴぷぺぽ」で練習する時は、「ぷ」と「ぽ」の時に唇をしっかり突き出す感覚でやると、全体が滑らかになります。
◎たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりからちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ
「ぷぽぽ」をそれぞれしっかり分けて発音しましょう。
◎カエルぴょこぴょこ、三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ、六ぴょこぴょこ
力が入りすぎると「ぴょこ」が言えなくなります。
◎パリプレポロ×3
まとめ
最後に有名な「五十音」をご紹介します。
「あめんぼのうた」とも、よく言われています。
50音をバランスよく練習できるので、演劇などの発声練習で使われます。
ポイントは大きな声でゆっくり抑揚をつけることです。
私もやってみましたので、参考にしてみてください
五十音(あめんぼのうた)
あめんぼあかいな あいうえお うきもにこえびもおよいでる (水馬赤いな あいうえお 浮藻に小蝦も泳いでる)
かきのきくりのき かきくけこ きつつきこつこつかれけやき(柿の木栗の木 かきくけこ 啄木鳥こつこつ枯れ欅)
ささげにすをかけ さしすせそ そのうおあさせでさしました(大角豆に酢をかけ さしすせそ その魚浅瀬で刺しました)
たちましょらっぱで たちつてと とてとてたったととびたった(立ちましょ喇叭で たちつてと トテトテタッタと飛び立った)
なめくじのろのろ なにぬねの なんどにぬめってなにねばる(蛞蝓のろのろ なにぬねの 納戸にぬめってなにねばる)
はとぽっぽほろほろ はひふへほ ひなたのおへやにゃふえをふく(鳩ポッポほろほろ はひふへほ 日向のお部屋にゃ笛を吹く)
まいまいねじまき まみむめも うめのみおちてもみもしまい(蝸牛ネジ巻 まみむめも 梅の実落ちても見もしまい)
やきぐりゆでぐり やいゆえよ やまだにひのつくよいのいえ(焼栗ゆで栗 やいゆえよ 山田に灯のつくよいの家)
らいちょうさむかろ らりるれろ れんげがさいたらるりのとり(雷鳥寒かろ らりるれろ 蓮花が咲いたら瑠璃の鳥)
わいわいわっしょい わゐうゑを うえきやいどがえおまつりだ(わいわいわっしょい わゐうゑを 植木屋井戸換へお祭りだ)
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