ホスピタリティ・マインドで自分を輝かせる10の方法・コツ

オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永智樹です。

あなたはこれまでホスピタリティについて真剣に考えたことはありますか?

接客業などの経験がある方だと一度は聞いたこともあるでしょうし、研修等も受けたかもしれません。

しかしそれを実際の仕事の中でどれくらいこだわって実践することができたでしょうか?

ホスピタリティをどうとらえるかによって、お客様満足だけではなく、働く自分自身のやりがいにも大きな影響があるはずです。

ホスピタリティとは?

そもそもホスピタリティとは何でしょうか?明確にこれだと説明できますか?

英語の「hospitality」は「おもてなし」と訳されることが多いですが、実際の現場ではそれだけでは不十分です。

特に日本人にはまだピンとこないかもしれません。

ホスピタリティ=心のこもったおもてなし

様々な表現がありますが、私なら心のこもったおもてなしと解釈します。

ただのおもてなしではなく、そこに心がこもっているかどうかということに、もっとこだわるべきです。

同じおもてなしをされたとしても、「心がこもっているかどうか」によって、受けての印象は大きく変わってしまいます。

たとえば、お客様が来店された時に必ず「いらっしゃいませ」と言うはずです。

でもその時の声や表情が暗かったらどうでしょうか?

あなたがお客様の立場なら、どう感じるでしょうか?

来店して良かったと思いますか?気持ちよく買い物や食事ができますか?

このように、「いらっしゃいませ」を言うこと自体が目的になってしまっているお店はまだまだ多いです。

本来は「いらっしゃいませ」を言うことによって、お客様に気持ちよく買い物や食事などをしてもらえるようにすることが目的のはずです。

現在、「いらっしゃいませ」を普段から言う仕事をしている人は、自分の「いらっしゃいませ」でお客様を幸せにできるかどうか、鏡の前で確認してみましょう。

ホスピタリティが求められる仕事

一般的にホスピタリティが求められる仕事というのはサービス業になります。

レストラン、カフェ、居酒屋、ホテル、旅館、テーマパーク、アパレル、美容室など、あげればキリがないですね。

しかし、直接的にお客様と関わる仕事や業務以外にもホスピタリティは必須であり、そうでなくてはこれからの時代、生き残っていけないのではないかと思います。

ホスピタリティの例(レストラン編)

レストランではウェイターが主に接客をしますので、ホスピタリティは必須です。

それではシェフなど料理を担当する人はどうでしょうか?ホスピタリティは必要ありませんか?

同じ料理でもホスピタリティがある人とそうでない人が作った料理、どちらが美味しいそうでしょうか?

ホスピタリティがある人の方が必ず細かなところまで気を配ることができます。

料理の味はもちろん、盛り付けなどの見た目も変わるでしょう。

また、シェフによってはお客様の体格によって、少し量を調整してあげる人もいます。

ホスピタリティの例(ホテル編)

ホテルではフロントクラーク、ドアマン、ベルなどの人が接客します。

それではハウスメイド(清掃など)はどうでしょうか?

直接お客様と接する機会はあまりありませんが、「お客様にきれいな部屋で気持ちよく過ごしてもらいたい」と思っている人と、「何となくきれいだったらいいや」と思っている人とでは、歴然の差が出てきますね。

また、お客様とたまたまフロアですれ違った時などには挨拶をするはずです。

その時に他の接客を担当している人たちと同じレベルの挨拶だったら、お客様は感動するはずです。

このように直接的にお客様と関わる人でなくても、ホスピタリティがあるかないかというのは、仕事の質に大きな差が出てきます。

サービスとホスピタリティの違い

サービスは、「〜を買いたい」「〜を食べたい」「〜をしたい」などの、一次目標を満たすこです。

レストランなら食事、ホテルなら宿泊、店舗なら商品がそれにあたります。

一方ホスピタリティは一次目標の先にあります。それは「心を満たす」ということです。それがスタッフとの会話かもしれません。店内の飾りや清潔感かもしれません。

どれも、「お客様のために何ができるか」という考えのもと、スタッフみんなで実践しているものの中に、ホスピタリティがあります。

サービスの語源

サービスの語源はラテン語のservusで(奴隷)で、そこから英語のslave(奴隷)、servant(召使い)、service(奉仕)という言葉がそれぞれ生まれました。

そのため、サービスは受ける側と提供する側の主従関係がはっきりしている形になります。

ホスピタリティの語源

ホスピタリティの語源はラテン語のhospes(客人の保護者)で、そこから英語のhospital(病院)、hospice(ホスピス)などの言葉が生まれました。

ホスピタリティとは昔、空腹・疲労している旅人などにむけて、現地の人たちが無償で飲食や宿泊施設を提供するなどのおもてなしをしたことから始まりました。

そのため、ホスピタリティは対価を求めるのではなく、喜びや癒しなどを与えることに重きを置いています。

喜んだり感動したりしている姿を見て、自分自身も幸せを感じるという精神です。

ホスピタリティをマネジメントで使う

お客様へのホスピタリティを徹底するためには、職場内でのホスピタリティをまず徹底しなければなりません。

会社が従業員にたいしてホスピタリティがない中、従業員にお客様に対してのホスピタリティを持たせることはできません。

会社が従業員に対してホスピタリティがなければ、従業員には不平不満などがたまってしまい、心に余裕はなくなります。

心に余裕がなければ、お客様のことを真剣に考える余裕もありません。

お客様へのホスピタリティが徹底されている会社や組織は、必ずと言っていいほど従業員に対してのホスピタリティも徹底しています。

ホスピタリティは部下のマネジメントでも大切

部下にホスピタリティを持ってほしければ、上司自身が部下に対してのホスピタリティを忘れないことです。

ホスピタリティを持って部下のマネジメントをすることが何より大切です。

部下のことを考えず、ただ仕事をふるだけになってませんか?

部下がミスした時、ただ感情的に怒ってるだけになってませんか?

普段から良好なコミュニケーションがとれていますか?

部下がどんな価値観を持って仕事をしているか、知っていますか?

信頼関係を築くコミュニケーション

マネマネジメントの中でホスピタリティを生かすためには、まずは部下のことを理解しようとすることです。

部下はどんな気持ちで仕事をしているのか、なぜこの仕事をしているのか、どんな時にやりがいを感じるかなど。

普段からコミュニケーションの回数を増やし、お互いの信頼関係を築くことから始めましょう。

気をつけなければならないのは、部下から信頼してもらうことよりも、部下を信頼することを重視することです。

ホスピタリティ精神を身につける10の方法

ここからはホスピタリティ精神を身につけるための方法についてお話ししていきます。

全て大切な要素になりますが、できるところから確実に実践していきましょう。

気持ちのいいあいさつの徹底

お客様とのファーストコンタクトは「あいさつ」です。

あいさつでお客様を良い意味で驚かせてみましょう。

「こんなに気持ちの良いあいさつは初めてだ」と思われるレベルを常に追求していきましょう。

そのためには状況に応じた声と話し方が必要になります。特に明るく通りの良い声であいさつをするように心がけることが大切です。

声が通らない人と声が通る人の違い【保存版】

笑顔は無言のホスピタリティ

ホスピタリティ精神があればおのずと丁寧な口調で話すことになります。

しかし、言葉だけでなく、あなたの「笑顔」でもホスピタリティを表現できます。

人は声や言葉よりも外見から受ける印象が優先されやすいため、せっかく丁寧な言葉遣いで接したとしても、表情が暗かったりするだけで台無しになってしまいます。

あたたの笑顔だけでも相手の心を癒すことができるはずです。

【素敵な笑顔の作り方】1日1分であなたの第一印象がアップ!

どうしたら喜んでもらえるか常に考える

サービスや商品を滞りなく提供するのは当たり前です。

その上で、あいさつの仕方、商品説明の仕方、商品の渡し方など、自分ができることの中で、さらに1ランク上のことがないかを常に考えましょう。

そしてそれをスタッフ間で共有していくことで、どんどんブラッシュアップされていきます。

お客様の喜び=仕事のやりがい

お客様から「ありがとう」と言われたことはありますか?

通常は商品を買って頂いたり、サービスを受けて頂くことで、こちらからお客様に「ありがとうございます」と言うはずです。

しかしホスピタリティ精神がお客様に十分に伝わることで、時にはお客様から「ありがとう」と言って頂けることがあるのではないでしょうか?

いくら疲れていたとしても、それがふっとんでしまうくらい嬉しいと感じる。そういう人はホスピタリティ精神を持っている状態と言っていいでしょう。

相手の変化を感じる

1回のみではなく、複数回来店して下さるお客様(常連客)もいるでしょう。

その時にお客様の変化を感じた上でコミュニケーションをとっていくようにしましょう。

事前に来店されることが分かっているケースであれば、お客様の特徴や過去に話したことなどをいつもメモしておくといいでしょう。

ほめるトレーニング

お客様の状態や変化などに気付く力がなければ、お客様が求めていることや、喜んで頂けることを考え付くことができません。

「気づく力」をつけるためには、ほめるトレーニングをしましょう。人をほめるためには、相手に興味を持たなければなりません。

ホスピタリティ精神を持つためには、まず最低限お客様に興味を持っていないと進まないのです。

具体的なトレーニングとしては、1日1回スタッフ同士で褒めること。その場で褒めてもいいですし、終礼などで発表する時間をを作ってもいいかもしれません。

まずはスタッフ間でほめるトレーニングを行い、それをお客様に対しても実践していきましょう。

聞き手上手になる

雑談をする時などは、自分よりもお客様が話している時間が長いようにしましょう。

お客様に気持ちよく話して頂くことに徹するのです。

コツは表情豊かに相槌をしっかりと打つことです。「お客様の話をしっかり聞いています」というメッセージが表情から伝わるようにしましょう。

お客の立場で受けてみる

ホスピタリティがどんなものかを体験するには、お客の立場で受けてみるのが一番早いでしょう。

一般的にホスピタリティ精神のレベルが高いところは料金も高めかもしれません。レストランではディナーよりもランチの方がより気軽に受けることができるはずです。

その時に自分がされて嬉しかったことを感じることはもちろん、店内の清潔感やスタッフ同士のやりとりなど、お店全体の空気感にも目を向けていきましょう。

道端のゴミを拾う

職場にゴミが落ちていたら拾うのは当たり前です。しかし、一歩外に出るとどうでしょうか?

もちろん全部を拾えとは言いません。しかし、近くにゴミ箱があるのが分かっていてゴミを見つけたとしたら必ず拾いましょう。

「誰かがやってくれるだろう」という気持ちが強いと本当の意味でホスピタリティ精神を持つことは難しいはずです。

困っている人を見過ごさない

仕事中かどうかなど関係なく、困っている人がいたら見過ごさない姿勢が大切です。

電車で席を譲る、落し物を拾う、ベビーカーを押している人への配慮など、普段からできることはたくさんあります。

困っている人に手を差し伸べることはもちろん、それらに気づく感覚をつけることがとても大切です。

ホスピタリティにおいて、「やらない」ということも問題がありますが、それ以前に「気づかない」というのはとても基準が低い状態ですね。

まとめ

◎ホスピタリティ精神を身につける10の方法
  1. 気持ちのいいあいさつの徹底
  2. 笑顔は無言のホスピタリティ
  3. どうしたら喜んでもらえるか常に考える
  4. お客様の喜び=仕事のやりがい
  5. 相手の変化を感じる
  6. ほめるトレーニング
  7. 聞き手上手になる
  8. お客の立場で受けてみる
  9. 道端のゴミを拾う
  10. 困っている人を見過ごさない

ホスピタリティに100%はありません。

しかし、100%を求め続けるのがホスピタリティの真髄です。

そしてホスピタリティ精神を身につけることは、お客様に喜んで頂けるだけではなく、自分自身の人生を豊かにしていくものだと私は思います。

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2014年にオンライン専門の話し方教室を設立。ボイストレーナーとして、10年以上のキャリアを持つ。