こんにちは!
オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永智樹です。
あなたは論理的な話し方と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
論理的に話すことばかりに気を取られてしまうと、プライベートでは人間味が感じられない、もしくは硬くて面白くないというイメージがあるかもしれません。
しかし、ビジネス上では論理的な話し方が要求される場が多くあります。
特にプレゼンや会議などは、論理的に話す技術がとても役に立ちますね。
ちなみに基本的に日本人は論理的な話し方が苦手という民族性があります。
中には自分は論理的な話し方ができていると思っている人もいるでしょう。
しかしそれは勘違いで、回りくどい話し方になっているだけで、周りからは「何を言いたいか結局分からなかった」と思われているかもしれません。
今回は論理的に話す技術を身につけるためのコツについて、じっくりとお話ししていきます。
論理的な話し方ってどんなもの?
人間の話し方には大きく分けて2種類あります。
①結論がなかなか出てこない話し方、一から順に話す状態
②結論を先に述べ、続いて理由や背景を語り、最後にもう一度結論を言う話し方
一般的に論的な話し方と言われると②になります。
そうでないと何について話しているのか、聞き手が理解できず、最後になってやっと、「そういうことだったのか!」ということになります。
①に関しては普段話、面白い話など、プライベートでよく使われる話し方です。 始めから結論にあたるオチを言ってしまっては、面白みがなくなりますからね。
報連相でも使える!
ビジネス上では結論から話すほうがいいと分かっていても、できている人は多くないのではないでしょうか?
たとえば、上司への報連相。 内容が良くないものであればあるほど、言い訳にあたるものを先に言いたくなってしまうのが、人の心理です。
以下のようなものはどうでしょう?
「本日、~様がいらっしゃいまして、先日の企画について話していたのですが、Aさんに依頼していた書類がまだ届いておらず、上手く話を進めること ができませんでした。結果、クレームになってしまいました。」
これだと、最後になるまで何の話なのか分からないまま、上司は聞くことになります。
しかし、次のような話し方だとどうでしょうか?
「本日、クレームが発生しました。本来あるべき書類が間に合っておらず、~様と企画の話を進めることができませんでした。」
これだとすぐに「クレーム」の話だと上司は理解でき、より深く内容を把握する姿勢にもなりますし、時間短縮にもなります。
このように話す手順に気を配るだけでも、論理的な話し方に近づいていきます。
論理的に話す技術を身につけるコツ
論理的に話すことは難しいと感じている人もいるでしょう。
しかし、ちょっとしたコツをつかむだけでも、かなりの変化があります。
これから6つのコツを紹介しますので、1つずつ実践してみましょう。
主張と根拠を言う
論理的な話し方の一番の基本として、「主張と根拠」を言うというものがあります。
たとえば 「私は~(主張)だと考えます。なぜならば~(根拠)だからです」 という形です。
とてもシンプルですね。
主張だけで終わってしまう人が多いですが、それだとただアイデアを出しただけで、相手に自分の主張を理解(納得)してもらうことは難しくなります。
論理的な話し方をする最大の理由は、相手に自分の主張を理解(納得)してもらうことなのです。
応用編
実際に話すときには、もう一つ要素を加えることで、さらに相手が理解しやすくなります。
それは、「ご相談したいことがありまして」「~件なのですが」など、相手の注意をひくことです。 そうすることで相手は「話しを聞く姿勢」を整えることができます。
要点はシンプルにする
あなたの周りには、回りくどい言い方になっていて、「結局何を言いたいか分からない」と感じてしまう人はいませんか?
そのような人は、自分の意見を言いたい気持ちが強すぎて、余計な説明が増えたり、時には話が脱線してしまうことがあります。
自分が何を伝えたいのかを明確にし、それをどのような伝え方をすれば相手が理解しやすいのか考えながら話すことが大切です。
自分の考えと事実をしっかり分ける
自分の考えと事実を混同して話してしまうと、内容が偏ったり、本質からずれたものになってしまいます。
たとえば会議で誰かが、このような意見を述べたとします。
「前年より売上が下がった原因は、独自性のある新商品を開発できなかったことです」
この中で自分の考えと事実を分けてみると、このようになります。
自分の考え:原因は独自性のある新商品を開発できなかったこと
事実:前年より売上が下がった
確かにもっともな意見のように感じるかもしれませんが、それが本当に原因なのでしょうか?
昨年は独自性のある新商品を開発できていたのでしょうか?販売経路や営業方法に改善すべき点はないのでしょうか?
たくさんの「?」がありませんか?
もしかしたら他にも原因があるにも関わらず、自分の考えを事実のように述べてしまうと、本当の原因を発見する前に議論が終わってしまうこともあります。
このように自分の考えと事実を分けて話せないと主観でしか物事を捉えれず、とても視野が狭くなってしまい、客観的視点を持って正確な判断をすることができなくなります。
自分の考えと事実をしっかり分けながら話すことで、論理的な話し方にもつながっていきます。
接続詞を上手に使う
主張と根拠をつなげるものとして、たくさんの「接続詞」があります。
それらをどう使い分けるかということは、論理的な話し方をする上でとても大切です。
特に以下の3つを中心に練習していきましょう。
たとえば・つまり(イコールの関係)
「私は〜だと考えます。たとえば〜ということです」
しかし(対立関係)
「Aは大きいです。しかし、Bは小さいです」
なぜなら(理由づけ)
「私は〜だと考えます。なぜなら〜だからです」
表情や話し方にも注意
内容が論理的だったとしても、その時の表情や話し方に魅力がなければ、聞き手の心には響きません。 どのように伝えるかまで、しっかりと事前に考えておくことが大切です。
表情にメリハリをつける
無表情で話してしまうことはありませんか?
同じ内容を話していても、表情が豊かな人に比べると、聞き手に与える印象が変わってきます。
口や目元など、顔全体をしっかり動かしながら話すこと大切です。
通る声で話す
声が小さかったり、通らなかったりすると、内容そのものが相手に伝わりません。
あまり聞こえなくても、聞き返すのが面倒で聞こえているふりをしている人もいます。
周りに声が小さい人や聞き取りづらい人はいませんか?
しかし周りからするともしかしたら、あなたもその中の一人に数えられているかもしれません。
滑舌よく話す
滑舌が悪くモゴモゴと話したり、早口になってしまうと、自分の言いたいことが正確に伝わらなくなります。
滑舌は年齢によってどんどん悪くなりますので、日頃から練習が必要です。
※日頃から運動を取り入れて健康を維持することと同じようなイメージです。
抑揚をつけて話す
一本調子に話してしまうと、聞き手の集中力が切れやすくなります。
滑らかな抑揚をつけて話すことで、聞き手にストレスなく聞いてもらえるようになります。
まとめ
◎論理的に話す技術を身につけるコツ◎
- 主張と根拠を言う
- 要点はシンプルにする
- 自分の考えと事実をしっかり分ける
- 接続詞を上手に使う
- 表情や話し方にも注意
今回紹介した5つのコツは最終的には全て身につけてほしいものになります。
しかし、同時に全てを取り入れて話すことは難しいので、あなたがすぐに実践できそうなものから、じっくり取り組んでください。
論理的な話し方は一度身につけると、どんどん磨かれていきますので、できるだけ早く普段の会話に取り入れていきましょう。
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