正しい敬語の使い方

こんにちは!

オンライン話し方教室「ボイスプロデュース」代表講師の福永智樹です。

いきなりですが、日頃みなさんが使っている敬語、本当に正しいでしょうか?

もしかしたら知らず知らずのうちに、間違った使い方を覚えてしまっているかもしれません。

たとえば、これはどうでしょう。

「拝見させて頂きます」

時々聞こえてくる言葉ですが、ちゃんと間違いに気づきますか?

もしも間違いに気付かない方や普段使っている方は、周りから「敬語を正しく使えない人」と思われているかもしれません。

大人になっても敬語が正しく使えず、話し方が子供っぽくなってしまうと、時と場合には「常識がない人」というレッテルを貼られてしまうこともありますね。

特にビジネスにおいては言葉遣い一つで大きく変わります。

たとえば営業でお客様とお話している時、敬語を正しく使えていないとどうなるでしょうか?

「仕事が雑そう」「言葉遣いがこれじゃ。。。」など、かなりのマイナスイメージに繋がってしまいます。

逆に若いうちから正しい敬語を使えていると、「若いのにしっかりしている」「信頼できそうな人」という良いレッテルを貼ってもらえるでしょう。

このように敬語の使い方がどれくらいできるかで、周りからの評価が大きく変わってきます。

そこで今回は大人として最低限知っておくべき、基礎的な敬語の知識についてお話していきますので、1つずつ確認してみましょう。

敬語にもルールがある

まずは敬語の基礎の部分をお話しします。

敬語は大きく分けると3種類、さらに細かく分けると5種類あります。

3分類:①尊敬語 ②謙譲語 ③丁寧語

5分類:①尊敬語 ②謙譲語 ③丁重語(3分類の時は謙譲語に含まれます) ④丁寧語 ⑤美化語(3分類の時は丁寧語に含まれます)

それぞれの違いを紹介します。

①尊敬語→ 相手側(もしくは相手側に関係する人)の位置を高めることで、直接的に敬意を示す

※「いらっしゃる」「おいでになる」など

②謙譲語→ 自分側から相手側、もしくは第3者に向かう行動や物事について、向かう先の人をたてて表現する ※「差し上げる」「申し上げる」など

③丁重語→ 自分側を位置を低くすることで、相手に敬意を示す

※「参る」「申す」など

④丁寧語→ 話や文章の中で相手に対して丁寧な気持ちを直接示す

※「です」「ます」など

⑤美化語→ 上品さ、美しさを表現する

※「お水」「お言葉」「ご両親」「ご家庭」など

敬語を学ぶにあたって、それぞれの違いをしっかり把握することで、覚えやすくなります。

まずは基本の部分をしっかり確認しておきましょう。

敬語と謙譲語の違い

続いて、尊敬語と謙譲語の使い分け方について話していきます。

なかなか違いが分からずに使っている方も多いのではないでしょうか?

一度しっかりと違いを理解しておけば、応用がきくようになりますので、確認してみましょう。

尊敬語

・動詞+~れる、~られる

※待つ→待たれる

・お+動詞+~になる

※待つ→お待ちになる

謙譲語

・動詞+~させて頂く

※待つ→待たせて頂く

・お+動詞+~する

※待つ→お待ちする

よくある敬語表現

※尊敬語←基本形→謙譲語

◎いらっしゃる、おいでになる←行く、来る→参る、伺う

◎おっしゃる、言われる←言う→申す、申し上げる

◎お聞きになる←聞く→伺う、拝聴する

◎ご覧になる←見る→拝見する

◎いらっしゃる←いる→おる(おります)

◎なさる、される←する→させて頂く

いかがでしょうか? シンプルな考え方として、尊敬語は相手のこと、謙譲語は自分のことと覚えておきましょう。

丁寧すぎる二重敬語

最後に二重敬語について説明していきます。

二重敬語とは、同じ種類の敬語を二重に使うとことです。

二重敬語の例

◎役職+様 社長様、部長様など

※役職(敬称)に「様」を付けるのは誤りです。

◎「…れる」

「田中様が3時にお会いしたいとおっしゃられていました。」→×

「田中様が3時にお会いしたいとおっしゃっていました。」→◯

※尊敬語である「おっしゃる」の後に、また尊敬語の「…れる」を使うと二重敬語になってしまいます。

下記は全て二重敬語になってしまいますので、注意しましょう。

※()に正しい使い方を書いてます。

◎お話しになられる(お話しになる)

◎ご覧になられる(ご覧になる)

◎拝見させて頂きました(拝見しました)

◎伺わせて頂きます(伺います)

「丁寧に言わなくちゃ」という気持ちが二重敬語を生む原因です。

もちろんその心構えは大切ですので、正しい敬語の知識をプラスさせて、マナーをしっかり身につけていきましょう。

まとめ

今回は基礎的なルールをいくつか説明しましたが、これらを単なる知識としてだけではなく、どんどん普段の会話で実践して、本当の力に変えていく必要があります。

そして自分が間違えずに使えるようになると、他の人の敬語の間違いにどんどん気付けるようになります。

それが本当の力がついてきたサインになりますので、是非頑張って下さい。

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2014年にオンライン専門の話し方教室を設立。ボイストレーナーとして、10年以上のキャリアを持つ。