- アナウンサーのような綺麗な話し方になりたい
- 滑舌を良くしたい
- 抑揚をつけて滑らかに話せるようになりたい
オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永智樹です。
話し方が上手な職業の代表として、一番イメージされやすいのはアナウンサーではないでしょうか?
ニュースでは正確に聞き取りやすい話し方が必要ですし、番組等ではその場の雰囲気に合わせた話し方が要求されます。
アナウンサーの話し方に憧れを持っている方も多いはず。
ちなみに、私はアナウンサーとアナウンサー志望を1名ずつ、話し方レッスンで教えています。
(※2022年5月現在)
通常の生徒さんと違うボイストレーニングをしているのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。
アナウンサーなどのプロには、より基礎的な練習が必要なのです。
言い換えると、プロを目指していない一般の方々も、基礎的なトレーニングをすればアナウンサーのような話し方を身につけることができるということです。
- 腹式呼吸を身につける
- リップロールでトレーニングする
- 目を見開いて発声する
- 口を横に開くイメージで話す
- 舌を滑らかに動かす
- 鼻濁音を練習する
- 噛まずに話す
- 声の高さを変えて話す
- 話すスピードを変えて話す
- 相手が求めている話し方を感じる
- 顔の表情と話す内容をリンクさせる
アナウンサーのような話し方のメリット
アナウンサーのような話し方ができるようになると、たくさんのメリットがあります。
どんな仕事をしていても、「話す」という行為は必要になるはずです。
その時にどのような話し方をするかによって、あなたの印象だけでなく、業績にも影響が出てくるかもしれません。
アナウンサーは滑舌が良く、相手から聞き返されない
アナウンサーの話し方の特徴として、一番にあげられるのが「滑舌」です。
やはり滑舌が悪ければ、ニュースなどの原稿をスラスラと読むことはできませんので、視聴者に正しい情報を伝えることもできなくなってしまいます。
同じように一般の人でも、上司部下とのコミュニケーションや、プレゼンなどの場面で、滑舌良く話すことができれば、相手に正確な情報を与えることができます。
聞き返されることもほとんどなくなるので、報連相のスピードも理解度も上がるはずです。
アナウンサーは第一印象が良い
見た目だけではなく、アナウンサーのような話し方をすることで第一印象にも影響が出てきます。
明るい声と滑らかな発音で話せば、「仕事ができそうな人」「誠実そうな人」という印象を与えることができます。
また、表情豊かな話し方によって、見た目の印象もとても良いはずです。
アナウンサーは説得力のある話し方ができる
若者言葉を使ったり、ダラダラした話し方をする人よりも、アナウンサーのようにハキハキと話す人の方が、説得力があります。
話している内容が素晴らしくても、話し方がだらしないイメージだと、全く説得力がなくなってしまいます。
もちろん話す内容が一番大切ですが、その大切なものを伝える手段である「声や話し方」にしっかり着目できている人は、なかなかいないのではないでしょうか?
周りの人と差をつけるポイントにもなるでしょう。
アナウンサーのような話し方になるための方法
それでは一般の人でも、アナウンサーのような話し方になるための方法について解説します。
大きく分けると、声・滑舌・抑揚・心構えの4つの要素があります。
今の自分に足りないと思うところからで構いませんので、少しずつ練習していきましょう。
美声になるボイストレーニング
まずは何と言ってもボイストレーニングです。
特にアナウンサーのような美声(美しい声)を出せるようになれば、聞いている人の耳にスムーズに言葉が届くようになります。
基本的な発声練習で話し方を鍛え、綺麗な声の出し方を身につけましょう。
①腹式呼吸を身につける
正しい発声法を身につけるためには、正しい呼吸法が不可欠です。
肺の横隔膜を大きく動かして行う、腹式呼吸をマスターしましょう。
腹式呼吸ができるようになれば、喉をリラックスさせた状態で、綺麗な声を長時間出すことも可能になります。
やり方は簡単。まずは「吐く」ことからスタートです。今入っている空気を全て「スー」という音で出し切ります。
その時にお腹がゆっくりとへこんでいくようにしましょう。
全部出し切ったら、お腹に入った力をさっと抜いて、楽に鼻と口で吸いましょう。
コツは、「息を吸う」のではなく、「息が勝手に入ってくる」という感覚でやることです。
意識的に吸おうとしすぎると、胸や肩が上がって「胸式呼吸」になってしまいます。
お腹の動きが安定してきたら、息を吐く時間をどんどん長くして、20〜30秒は吐けるようになりましょう。
腹式呼吸について、もっと詳しく知りたい人は下記のページをご覧ください。
②リップロールでトレーニングする
明るく芯のある声をつくるための練習として、リップロールをやりましょう。
リップロールとは上唇に息を強くあてて、ブルブルと震わせながら声を出す発声練習のことです。
リップロールをやることで、明るい声を出す時に必要な筋肉をうまく使えるようになります。
しかし、普段からあまり話さない人、表情がかたい人はなかなかできませんので、手を使います。
両方の口角の少し下に指をあて、少し持ち上げます。
そうすることで、上唇に息が入りやすくなり、唇が震えてきます。
ボイストレーニングには欠かせない練習ですので、鏡を見て指の位置と口角の上がり方を確認しながらやってみましょう。
③目を見開いて発声する
目を大きく見開いて発声をすることで、明るくきれいな声を出す練習になります。
2種類の発音で練習しましょう。
・顔の中心に声が響く、「n」の発音で、「ナッ・ナッ・ナッ・ナッ」
・息をしっかり出す、「h」の発音で、「ハッ・ハッ・ハッ・ハッ」
どちらも顔の表情を鏡で確認しながらやってみましょう。
綺麗な発音を身につける滑舌トレーニング
アナウンサーをお手本にするとしたら、やはり「滑舌」は欠かせません。
一言に滑舌と言っても、様々な要素やコツが必要になります。
人それぞれ改善ポイントも違いますので、一つ一つ確認してみましょう。
①口を横に開くイメージで話す
口角が下がったままではなく、口角を上げて口を横に開くようにして話すことで、きれいな発音になります。
口の周りの筋肉を鍛えることができ、口角を上げることも上手になります。
様々な組み合わせがありますが、一番簡単な「イ・オ」を中心に練習しましょう。
「イ」の時はしっかり口を横に開き、特に上の歯をしっかり見せましょう。
「オ」の時はしっかり口を突き出します。
この2つの動きを組み合わせて、「イオ・イオ・イオ・イオ」と何度も繰り返しましょう。
ポイントは毎回口の形が同じになることです。
特に「イ」の形が乱れやすくなりますので、鏡で確認しながら行いましょう。
②舌を滑らかに動かす
舌の動きが鈍くなると、呂律が回らなくなったり、発音が乱れてきます。
舌を使う発音はたくさんありますが、特にナ行とラ行をしっかり練習しましょう。
・「ナナナナナ・ニニニニニ・ヌヌヌヌヌ・ネネネネネ・ノノノノノ」
・「ラララララ・リリリリリ・ルルルルル・レレレレレ・ロロロロロ」
・「ナラ・ナラ・ナラ・ナラ」
早口にならないよう、ゆっくりと確実に発音しましょう。慣れてきたら少しずつスピードを上げていきましょう。
もっと滑舌を良くしたい人はこちらをご覧ください
③鼻濁音を練習する
アナウンサーと言えば、やはり鼻濁音の美しさが必要です。
※「が行」には、「濁音」と「鼻濁音」という2種類の発音がありますので、確認してみましょう。
<濁音→鼻濁音>
もっと詳しく鼻濁音を知りたい人はこちらを参考にしてください。
④噛まずに話す
アナウンサーの能力で一番すごいものが、噛まずに話す力です。時々、噛む方もいますが。。
たとえば前もって練習しなくても、ニュース原稿を見ながらスラスラと話すことができます。
噛まずに話すためには、普段からたくさんの書物に触れて語彙を増やすことが大切です。
新聞のトップニュース、雑誌、小説など、題材は何でも構いません。
どんなにゆっくりでもいいので、「絶対にかまずに読み切ること」を意識しましょう。
「間違えてもいいや」と思って読むと、いつまでたっても上手くなりません。
漢字が読めないこと以外で間違えるということは、本来の実力に合わないスピードで読んでいるということです。
全く噛まないで読める時のスピードが、普段話している時のスピードと同じになるまで続けてみて下さい。
抑揚のある話し方トレーニング
一本調子で抑揚をつけずに話してしまうと、内容が聞き手にしっかり伝わりません。
抑揚をしっかりつけて話すことで、聞き手が想像を膨らませながら聞くことができ、内容をスムーズに理解できるようになります。
日本語の抑揚のつけ方として、大きなポイントは声の高さ・話すスピードの2つです。
①声の高さを変えて話す
話す内容によって声の高さを変えると、会話全体に抑揚がつきます。
たとえば明るい内容の時は高い声、真面目な内容の時は低い声という分け方です。
内容に合う声の高さやテンションを上手く使い分けながら、抑揚をつけていきましょう。
また、1つ1つの文章の中でも声の高さを変えると、より抑揚がつきます。
冒頭の言葉を高く入り、句読点に向かって少しずつ声を低くしていきます。
そうすることで、1つの文章の中に抑揚の山ができるので、とてもスムーズな話し方になります。
②話すスピードを変えて話す
話すスピードについては、内容だけでなく、話す相手によって変えるようにします。
基本的には話す相手のスピードよりも、ほんの少しだけ早く話すことで、会話の主導権を握ることができますが、日本人の半数以上は早口です。
思っているよりも早口になってしまう人が多いので、意識的には「相手と同じスピード」で話すようにしましょう。
また、スピードについても1つの文章の中で変化をつけることはできます。
特に伝えたい言葉(キーワード)は、他の言葉よりもスピードを遅くしましょう。
そうすることで、その言葉が強調され、相手の頭に残りやすくなることで、何を伝えたいのかが明確になります。
キーワードに「」をつけたイメージで話すとコツをつかめます。
たとえば同じ文章でも、下記のように「」を入れて話すだけで、スピードを遅くすることが可能になります。実際に言ってみて、比べてみましょう。
・ありがとうと嬉しそうに、笑顔でお礼を言う
・ありがとうと嬉しそうに、「笑顔で」お礼を言う
アナウンサーのように話す時の心構え
これまでの、声・滑舌・抑揚についてはトレーニングによって身につける「技術」になります。
しかしいくら技術があっても、普段使えるようにならなければ意味がありません。
そこで、普段持ち続けてほしい「心構え」についても、お話しします。
①相手が求めている話し方を感じる
話す相手によって、どんな話し方をすべきか、考えながら話すことが大切です。
性別・年齢・関係性などによって、話し方を変えなければ、良好なコミュニケーションをとれなくなってしまいます。
たとえば上司と話す時と部下と話す時では、言葉遣いだけでなく、話し方自体も変わるはずです。
上司と話すような話し方で部下と話してしまうと、部下との関係性が曖昧になります。
また、その逆だと上司に失礼を与えてしまう可能性もありますね。
誰と話す時にも、どんな話し方をすれば喜んでもらえるかということを、考えることで、その時にベストな話し方が見えてくるはずです。
②顔の表情と話す内容をリンクさせる
話すことに夢中になりすぎてしまうと、ついつい顔の表情がかたくなってしまいます。
顔の表情がかたくなると、声の明るさなどに影響が出てきますし、話す内容と合っていなければ、違和感を与えてしまいます。
耳から得る情報である「声と話し方」だけでなく、目から得る情報である「顔の表情」にも意識が必要です。
顔の表情を話している内容に合わせるという意識を持ちましょう。
まとめ
- 腹式呼吸を身につける
- リップロールでトレーニングする
- 目を見開いて発声する
- 口を横に開くイメージで話す
- 舌を滑らかに動かす
- 鼻濁音を練習する
- 噛まずに話す
- 声の高さを変えて話す
- 話すスピードを変えて話す
- 相手が求めている話し方を感じる
- 顔の表情と話す内容をリンクさせる
1つ1つの要素を見ていくと、アナウンサーのような話し方を身につけることは可能だと思いませんか?
アナウンサーも生まれながらに完璧な人はいません。必ずトレーニングを継続して、技術を磨いています。
しかし、そのトレーニングは特別なものではなく、やり方さえ分かれば誰でも上達するものです。
人それぞれ目標や課題は違いますので、トレーニングの優先順位を明確にして、アナウンサーのような美声と話し方を手に入れてください。
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