こんにちは!
オンライン話し方教室「ボイスプロデュース」代表講師の福永智樹です。
これまでボイストレーニングと言えば、「歌」が上手くなりたい人が受けるものという認識が強かったのですが、近年は話し方のボイストレーニングを受講する人が増えてきました。
また、アナウンサーなどのプロを目指しているわけではなく、仕事の時の話し方を改善したいという、ビジネスマンが特に多いです。
話すということがビジネスにおいて、重要な要素であることに気づき、それをスキルアップさせたいという人ばかりです。
あなたはこのように思ったことはないですか?
「声の通りを良くして、堂々と話せるようになりたい」
「滑舌を良くしてハキハキと話せるようになりたい」
「プレゼンなど人前で話す時に説得力がほしい」
今回は話し方トレーニングの内容や、どんな人が話し方トレーニングを受けるべきかなどについてお話ししていきます。話し方トレーニングに興味をお持ちの方は、今後のスクール選びなどにもお役立てください。
話し方トレーニングに必要な要素
一言に話し方トレーニングといっても、スクールや先生によって内容が異なります。また、どんなものを目指しているかによって、トレーニング内容が変わります。
その中でも最低限おさえておくべき内容をご紹介します。もしも話し方教室などを探している人は、カリキュラムの中に下記の内容が入っているか事前に確認することをおすすめします。
表情トレーニング
いくら良い声で話しても、その時の表情がどんなものかによって、聞き手に与える印象が大きく変わります。
また、聞き手は話している内容だけでなく、相手の表情からメッセージを読み取るものです。
いくら良いことを話したとしても、話している時の表情に変化がないと、話し方自体も淡々としたものとなり、抑揚もつきません。
そうなると、伝えたいことが伝わらなかったり、中には誤解してしまう聞き手もいます。
よって、内容に合った表情で話すトレーニングが大変重要になります。
具体的には、動画を撮ったり、鏡で表情を確認するような練習が必要となります。
腹式呼吸トレーニング
正しい発声法を身につけるためには、正しい呼吸法の習得が不可欠です。
これをせずにトレーニングを重ねたとしても、効果を感じれなかったり、ある程度のレベルで成長がストップしていまいます。
また、ただ腹式呼吸の練習をするだけではなく、実際にそれを使って声を出したり話したりするような、実践的なトレーニングが大切です。
最低でも腹式呼吸の時と、そうでない時の声の違いを感じれるレベルに到達するようにしましょう。
先生(話し方トレーナー)の中には、腹式呼吸はできても、それを使って発声できていない人が多くいます。
見分けるポイントは3つあります。
①話している声が小さい(もしくは、息がかっている)
②息継ぎの時に胸や方が上がっている
③息継ぎの時に息を吸う音が聞こえる
1つでも当てはまると、腹式呼吸ではなく、胸式呼吸になっている可能性が高いです。
腹式呼吸を動画で確認!
発声トレーニング
1対1で話す時、あいさつをする時、人前で話す時など、場面によって使う声が変わってきます。発声トレーニングでは、声の大きさ・高さ・明るさの3つの要素を上手くコントロールできるようにすることが、最優先事項です。
それれをふまえて、下記の基本トレーニングが効果的です。
①リップロール
唇に息を当て、ブルブルと震わせながら声を出します。これをやると、発声時に余計な力が入らなくなったり、唇の周りの筋肉の強化、喉をしっかり開けたままの発声などができます。
ボイストレーニングでは必ずと言っていいほど行うトレーニングです。しかし、何となくやるのではなく、声の大きさや高さを調整しながら行うことが大切です。
②ハミング
これもボイストレーニングでは必ずと言っていいほど出てきます。声が響く場所が人間の身体にはたくさんありますが、特に目の下・鼻の奥にある「鼻腔」を使うことで、良い声が出やすくなります。
その鼻腔の響きを感じられるのがハミングです。基本的にはナ行の「n」の音で行いますが、マ行の「m」や鼻濁音の「ŋ」でも練習するとさらに効果的です。
③各母音(あいうえお)で音階練習
音階練習と言っても、歌のボイストレーニングのような複雑な音階は必要ありません。「12321(ドレミレド)」や「123454321(ドレミファソファミレド)」など、比較的簡単な音階で十分です。
母音によって出しやすいものと、出しにくいものが人それぞれ違いますので、「あ」だけではなく、「いうえお」の母音でも練習しましょう。
滑舌トレーニング
滑舌をよくすることで、一つ一つの言葉がクリアになり、相手に伝わりやすくなります。特にトレーニングが必要なのは口と舌の動かし方です。
①口の動かし方
全ての母音を正確に作ることで、発音に明瞭感が出てきます。
「イオ」の組み合わせが一番簡単なので、これから練習しましょう。
また鏡で口の動きをしっかり確認していきましょう。
②舌の動かし方
滑舌は、「滑らかに舌を動かす」と書くように、舌の動きがどれだけスムーズになるかで大きく変わってきます。ポイントは舌の筋力をつけることと、余計な力を入れずに滑らかに動かすことの2つです。
舌の筋肉をつける練習としては、口の中でゆっくり大きく回すだけで大丈夫です。5周ずつ回すと、舌の奥の方に疲労感があるはずです。1日3セットくらい行うと効果がでてきます。
また、ナ行とラ行の組み合わせで「ナラ」や「ラナ」などを連続で言うトレーニングが効果的です。
③苦手な発音を重点的に練習する
苦手な発音は誰しもあります。どの発音が苦手なのか、しっかり確認してから練習することで、効率的にトレーニングできます。
実践的なトレーニング
抑揚をつけて話したり、スピードを変えて話すなど、実践的な練習を最後に行うようにしましょう。題材は普段のプレゼンやスピーチで使うものだけでなく、新聞や雑誌、文学作品など幅広く取り入れることをおすすめします。
また、何かを読むだけではなく、フリートークも自然にできるとスピーチ力や会話力もアップします。毎日1つテーマを決めて、1分間話してみましょう。それをボイスメモなどに録音して聞き返すことで、自分の話し方の改善ポイントが鮮明になってきます。
話し方トレーニングで得られる嬉しい効果
話し方トレーニングによって、声や話し方が魅力的になると、他にどんな影響があるかお話ししていきます。
プレゼンやスピーチでうまく話せるようになる
人前でも堂々と話せるようになることが、話し方トレーニングで感じられる1番の変化ではないでしょうか。
必要以上に緊張したり、ボソボソと話すことはなくなり、周りからの評価も変わるはずです。
プレゼンやスピーチで力を発揮できれば、信頼を得ることにもつながります。
コミュニケーション能力がアップする
話し方トレーニングによって、スキルが上がってくると、相手や場面に合わせて自分の話し方を変えることができるようになります。
人間関係を構築する上で、会話は欠かせない要素ですが、話し方トレーニングによって鍛えた力を使えば、より円滑なコミュニケーションがとれるようになります。
どんな表情でどんな声で、どんな話をするかをしっかり考えながら話していきまししょう。
第一印象がアップする
話し方トレーニングによって、印象の良い話し方が自然にできるようになります。第一印象が良ければその後のコミュニケーションは円滑に進みやすくなります。
しかし、第一印象がマイナスからのスタートしてしまうと、プラスに変化させるためには1〜2時間はコミュニケーションをとらなければなりません。
初対面などではあまり長く話すことはできないことが多いので、一瞬で相手に好印象を与えることができれば、良い人間関係を構築できるようになります。
話し方トレーニングが必要な人
自分の声や話し方に対して関心を持っていない人も、まだまだ多いのが現状です。
しかし話し方トレーニングが必要ないくらい魅力的な話し方を身につけている人は、なかなかいません。
話し方トレーニングが特に必要だと考えられる人の特徴をまとめました。
声が小さい人・通らない人
声が小さかったり、通らなかったりすると、「元気がない」「頼りない」などの印象を与えてしまうこともありますので、特に発声トレーニングを重点的に行うことが大切になります。
自分の声に自信を持てるようになると、話すこと自体が好きになり、何事にも積極的な面が出てくるようになります。
滑舌が悪く、聞き返されることがある人
滑舌が悪いと少し雑なイメージを与えてしまいます。イメージしてみてください。
初対面の人で、ハキハキと聞き取りやすい話し方と、滑舌悪く聞き取りにくい話し方、どちらの方が仕事を丁寧にやってくれそうな気がしますか?
特にビジネス上での初対面の方と話す場合、その人のことを全く知らないにも関わらず、 「この人は信頼できそうだ」や「この人とはあまり仕事をしたくない」など、瞬時に判断してしまうこともあるはずです。
アナウンサーのような話し方を目指す必要はありませんが、一つ一つの発音がクリアな方が、確実に好印象を与えることができますので、しっかりと滑舌トレーニングをすることが大切です。
人前で話すことが苦手だと感じる人
1対1や複数人で雑談する時には問題なくても、人前でプレゼンやスピーチをする時に緊張して上手く話せないという人は、シチュエーション毎の話し方を身につける必要があります。
どんな場においてもふさわしい話し方ができるようになれば、緊張して上手く話せないということもなくなります。
決まった言葉や文章を読む練習だけでなく、アドリブを入れたフリートークを練習するといいでしょう。
人とコミュニケーションをとるのが苦手な人
会社でもプライベートでも、人と話すことが苦手な人はコミュニケーション能力を磨く必要があります。
コミュニケーションについては理論的なことを勉強するだけではなく、実戦練習していくことが大切です。
話し方トレーニングでは先生に練習台になってもらい、様々なシチュエーションを想定して、会話するようにしましょう。
相手の性別・年齢・職業や、話す内容などをいろいろと組み合わせていくと、より実戦的な練習ができるはずです。
営業・接客など人と関わる仕事をしている人
取引先やお客様など、人と関わることが多い人は自分自信の声や話し方がどのようなものなのか、必ず確認するべきです。
それが直接的に自分の業績につながっているケースが多々あります。
いかにもな営業トークになっていないか、早口になっていないか、「え〜」などを多く使っていないか、話している時の表情はどうなっているかなど、客観的に確認するにはビデオカメラで録画するのが一番です。
実際の商談などを録画するのはなかなか難しいので、他のスタッフに手伝ってもらい、営業・接客のデモを録画してみましょう。
自分では気づいていなかった課題が必ず見つかるはずです。
まとめ
◎話し方トレーニングに必要な要素・内容◎
- 表情トレーニング
- 腹式呼吸トレーニング
- 滑舌トレーニング
- フリートークなどの実戦トレーニング
◎話し方トレーニングで得られるうれしい効果◎
- プレゼンやスピーチでうまく話せるようになる
- コミュニケーション能力がアップする
- 第一印象がアップする
◎話し方トレーニングが必要な人◎
- 声が小さい人・通らない人
- 滑舌が悪く、聞き返されることがある人
- 人前で話すことが苦手だと感じる人
- 営業・接客など人と関わる仕事をしている人
◎話し方トレーニングの効果を最大限に引き出す方法◎
- 自分の声や話し方の課題を明確にする
- 自分の課題に合うトレーニング内容になっているか確認
- 基礎トレーニングだけはなく、実践練習を多く行う
自分の声や話し方によって、周りからの印象だけではなく、仕事の成果も大きく変わってきます。
声や話し方は、あなたの人生を大きく変えていく要素の一つであることは間違いありません。
これからの人生で何をどうしたいのか、それを達成するにはどんな声と話し方ができればいいか、一度大きな視点で考えてみてはいかがでしょうか?
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