- 通る声を出せるようになりたい
- 声が通らなくてつらい
- よく聞き返されてしまうことがある
オンライン話し方教室【ボイスプロデュース】代表講師の福永智樹です。
今回は、声が通る人と声が通らない人の特徴について解説します。
私の話し方レッスンを受講している受講生の方々に多い悩みとして、「声が通らない」というものがあります。
自分では通る声で話しているつもりでも、聞き返されてしまったり、喉に違和感が出てきたりということがあるようです。
声が通らない人→表情筋が動かない。声が小さく・低く・暗い。滑舌が悪い。
声が通る人→表情豊か。声が大きく・高く(中音域)、明るい。滑舌が良い。
- 聞き返されることが多い
- 印象が暗くなる
- 自信を持って話すことができない
- 自分の話し方を客観視してみる
- ボイスメモで確認する
- 理想・目標となる話し方を見つける
声の通りに関係のあるもの
まずは技術的なところから確認していきます。
顔の表情・声の大きさ・高さ・明るさなどを意識するだけでも、声の通りは改善できます。
声が通る人の表情とは
声が通らない人の特徴として、最初に考えられるものは、無表情で話しているということです。
無表情だと暗い声になり、声が通らない状態になります。
声が通らない人は、どんな内容の話をしていても表情に変化がありません。
口を大きく動かして話しましょう
そこで、改善方法を一つご紹介します。それは、口を大きく動かすことです。
意識的に口を大きく動かして話すことで、柔らかい表情に近づいてきます。
目の表情も確認しましょう
それができるようになったら、目の周りも動かせるようにしていきます。
実は目の周りの動きも、声の通りに影響します。
たとえば、眠そうな表情(細目にした状態)で声を出すと、やる気のない声が出ます。
逆に、ハツラツとした表情(目を見開いた状態)で声を出すと、力強い声が出ます。
練習方法としては鏡を見ながら、ゆっくりと左右交互にウィンクをするといいでしょう。
笑顔で話すと声が通りやすい
ちなみに、声が通る人は口角が上がり、笑顔に近い状態で話すことが多いです。
また、口角だけでなく、顔全体の表情筋を動かすため、表情豊かです。
この違いは「声」の印象だけでなく、見た目の印象にも影響していきます。
柔らかな表情をしている人の方が好印象なのは言うまでもありません。
◎声が通らない人→表情筋が動かず、暗い声
◎声が通る人→表情豊かで、明るい声
声の大きさが一番重要です
声が通らない人の多くは、声の大きさそのものが小さい傾向があります。
人と話す上で一番大切な、「情報を相手に伝える」ということ自体が達成されていない状態です。
小さくても1、2回は聞き返してもらえますが、何度も聞き返すのは相手にストレスを与えてしまいます。
「聞こえているフリ」をされる可能性もありますので、注意しましょう。
口角を上げるだけでも声が綺麗に響く
また、声が通る人の声には十分な大きさがあります。
それは、口角が上がることで、鼻腔に音が響きやすくなるためです。
鼻腔に声が響くと、音が増強されます。
鼻腔が響いているかどうかで、音量に差が出てきます。
鼻腔の響きを確認するにはハミング(鼻歌のようなもの)が一番です。
口を閉じた状態で、「ん〜」と大きめの声で言ってみましょう。
この時に鼻(顔の中心部分)に少し響きを感じるはずです。
普段話す時も顔の中心部分から声が出ているイメージをしっかり持ちましょう。
あくびをして喉の奥を広げましょう
別の方法としては、喉の奥をしっかりと広げる練習をすると、大きな声が出やすくなります。
鏡を見ながら大きく口を開けて、喉の奥が見えるかどうか確認しましょう。
なかなか見えない時は、あくびをしてみましょう。
あくびをすることで、喉の奥を広げるだけでなく、リラックス効果もあり、声が出やすくなりますので、日頃から取り入れてもいいですね。
◎声が通らない人→声が小さく聞き返される
◎声が通る人→声がはっきりしていて聞き取りやすい
声の高さは少し高めで話しましょう
声が通らない人は、低い声で話すことが多いです。
声が低いと大きな声も出しにくく、こもった声になります。
それによって、一つ一つの発音も不明瞭になり、余計聞き取りにくくなってしまいます。
また、声が通る人は中音域の高さで話すことができているので、放物線状に遠くに声が飛んでいきます。
そうなると必要以上に大きな声を出していなくても、相手は聞き取ることができます。
◎声が通らない人→声が低く、遠くに届かない
◎声が通る人→声が高く(中音域)、遠くに届く
声の明るく出しましょう
声が暗いと、小さくて低くい声になりやすく、結果的に声が暗くなってしまいます。
しかし、声が通る人の声は明るい状態です。これは上記でも説明した通り、鼻腔共鳴によるものです。
人間の身体の中には声が響く空洞、共鳴腔があります。
共鳴する空洞は大きく分けると、胸・喉・口・鼻の4つあります。
その中でも、身体の下にある共鳴腔に声が響くと低くて暗い声、上にある共鳴腔だと高くて明るい声になりやます。
具体的なボイストレーニングの方法については下記のページで確認してください。
◎声が通らない人→声が暗い
◎声が通る人→声が明るい
滑舌をよく話しましょう
声の通りと大きく関係しているのが、滑舌です。
声が通らない人は、口をあまり動かさずに話しています。
口の動きが弱いと、母音の発音が不明瞭になり、滑舌が悪くなります。
また、口の形が変わらないと、口の中の形も変わりません。
そうなると舌が上手く動かなくなり、滑舌が悪くなります。
滑舌は口と舌の動きが滑らかになればなるほど良くなりますので、ボイストレーニングと合わせて滑舌トレーニングをしていきましょう。
◎声が通らない人→滑舌が悪い
◎声が通る人→滑舌が良い
声が通らない人が改善するために他にできること
ボイストレーニングをすることにより、直接的に声を鍛えて、声の通りを改善することができます。
しかし、それだけではなく、普段意識すべきことやコツがあります。
話す内容を明確にして話す
話す内容が整理されておらず、「何を話せばいい分からないない状態」は、声がこもってしまいます。
メンタルと声は表裏一体です。
- 自信がない・不安=声が小さくなる・こもる
- 自信がある=声が大きくハッキリする
特に人前で話す時は、内容を明確にしておきましょう。
自分の話し方を客観視してみる
声が通らない人よりも、通る人の方が自分自身の声や話し方を客観的に見ることができます。
ただ自分が話しやすいように話すのではなく、相手にどう伝わっているか、どうすれば相手に上手く自分の声が届いていくか、しっかり考えています。
たとえばお年寄りと話す時、どんな声で話しますか?
小さく低い声で話してしまうと、おそらく聞き取れないので、何度も聞き返されてしまいます。
普段よりも大きく高めの声で話すように、コントロールするのではないでしょうか?
このように、話す相手によって自分の声をコントロールするためには、今の自分の声がどんなものなのか、客観的に感じることが必要です。
意識しない限り、人は自分の事を主観的にしか捉えることはできません。
しかし、自分は周りから見てどう思われているのか、どう映っているのかという視点を持って意識してみるだけで、あなたの声は変わり始めます。
もしも技術的に声をコントロールできる人であっても、どんな声で話すべきか考えていないと、時と場合によって使い分けることはできません。
どんなで話していけば相手が嬉しいか、それを常に頭に入れてコミュニケーションをとっていくようにしましょう。
プレゼンやスピーチでは、どんな声で話していますか?
営業やプレゼンやスピーチなど、ビジネスに関わる時の話し方について、自分で自信を持てないと、良い商品やサービスだとしても、「売れない方向」に向かわせてしまいます。
声や話し方がビジネスに影響していることを知らずにいると大変です。
同じサービスでも、提供する人によって成績が変わるのも、話し声が原因かもしれません。
人前で話す時は、1対1で話す時よりも、「大きく・高く・明るく」を意識した声が必要になります。
それは、自分と話す相手の距離が遠くなるからです。
より通る声でないと、言葉や内容そのものが聞き取れなくなってしまいます。
しかし、人前で話す時に小さく低く暗い声で話している人は多いのではないでしょうか?
TPOに応じて服装などを変えるのと同じように、声と話し方も変えなくてはいけません。
話している途中で軌道修正することが難しいので、どんな声でどう話すべきか、事前にシミュレーションをしておくことが大切です。
声の通りはボイスメモで確認できる
自分の声や話し方を確認するおすすめの方法は録音です。
スマホやICレコーダーで、自分の話し声を録音して聞いてみましょう。
今までにやったことのない人は、自分の話し声を聞くと違和感があるはずです。
しかし、その話し声が周りがいつも聞いている本当のあなたの話し声です。
周りには空気振動のみで声が伝わっていきますので、どうしても薄い感じの声になってしまいます。
自分の声は頭蓋骨の骨伝導によって、とても良い音で聞き取りやすい状態です。
内容は何でも大丈夫です
録音する内容はプレゼンや商談など、実践のものが一番です。
しかし、誰もが録音できるとは限りませんので、新聞や雑誌などの文章を録音して聞いてみるのもいいでしょう。
自分で納得できる話し声になるまで、何度も練習していくことが大切です。
チェックポイントは声の大きさ・高さ・明るさ、話すスピード、滑舌、抑揚の有無などがあります。
動画撮影がおすすめ
時間に余裕のある人は音声だけでなく、動画撮影をしてみましょう。
顔の表情、姿勢、ジェスチャーなど、周りの人の目にあなたがどう映っているか確認してください。
視線がキョロキョロしたり、変に体が動いていたり、自分では気づかないポイントが必ず見つかるはずです。
このように音声や動画で確認すると、「恥ずかしい」と感じるかもしれません。
しかし、恥ずかしいと感じるのは自分だけで、周りの人がそれを確認しても、「いつものあなたです」と答えるでしょう。
自分で恥ずかしいと感じるものを周りに発信していることに、いち早く気づくべきではないでしょうか?
理想の話し方を見つけましょう
もしも身近に理想の話し方、もしくは目標としたい話し方をしている人がいたら、その人と自分の話し方を違いをピックアップしてみましょう。
この時のチェックポイントには、声の大きさ・高さ・明るさ、話すスピード、滑舌、抑揚の有無、顔の表情、姿勢、ジェスチャーなどがあります。
身近に理想的な人がいなければ、テレビに出ている有名人でも構いません。
「こんな声で話せるようになりたい」という目標ができれば、トレーニングの質もぐんと上がります。
元気にハツラツと話す人、落ち着いたトーンで話す人、説得力ある声で話す人、軽快なテンポで話す人、ゆっくりと安定したテンポで話す人など、たくさんの話し方があります。
あなたはどんな話し声になりたいですか?一度、ゆっくりと考えてみましょう。
まとめ
声が通らない人→表情筋が動かない。声が小さく・低く・暗い。滑舌が悪い。
声が通る人→表情豊か。声が大きく・高く(中音域)、明るい。滑舌が良い。
- 聞き返されることが多い
- 印象が暗くなる
- 自信を持って話すことができない
- 自分の話し方を客観視してみる
- ボイスメモで確認する
- 理想・目標となる話し方を見つける
実は年齢を重ねるごとに、声は通らなくなっていきます。
声を出す時に必要な筋肉が、どんどん衰えてしまうからです。
また、お酒の飲み過ぎによって声がカスカスになってしまうこともあります。
しかし、スポーツと同じように日々トレーニングを重ねることで、声を出すための筋肉を鍛えることは可能です。
あきらめずに理想の声・話し方を目指して、毎日トレーニングを重ねてみてください。
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